またかよ!という声が聞こえてきそうな今日この頃ですが,私はまた性懲りも無く一個¢33のカップ麺をすすっています.代り映えしない?そうですね.じゃ,今日はちょっと文体を変えてみましょうか.
これまでの調査で,カップ麺の育たない荒涼たる不毛の砂漠である米国でも,エビのカップ麺はマシだという仮説を立てた私は,それを確信に変えるべく,さらなる探求を続けた.今回の目的は,エビバリエーションの比較だ.カップ麺ストック袋の奥底からピックアップしたのは,マルチャン,インスタントランチのエビバリエーション,Lime Chili with ShrimpおよびHot & Spicy with Shrimpだ.ここでは親しみを込めて「ライム」「ホット」と呼ぶこととしたい.
<パッケージ>
ライムとホットはエビ仲間だが,その外見は全く対照的だ.あわい黄緑にピンクのアクセントでファンシーな装いを見せるライムに対し,ホットはオレンジと黒にピンクを混ぜるという毒々しい色合いに加え,炎模様で周囲を寄せ付けないオーラを発する
(まるでトンガった男子高校生が,それでも彼女から貰ったファンシーな携帯ストラップを大事にしているようにも見えるが,そんなことはどうでも良い).並べたカップ麺と対峙することしばし,私はライムから食すことにした.それはホットに恐れを抱いたからではない.むしろ,先にホットを食し,やはりこれまでのように期待はずれな薄味だった場合,その後,さらに軽そうなライムを食すのは苦痛以外の何者でもないと判断したからだ.
<ライム>
ふたを開けた瞬間,私は度肝を抜かれた.前回のカップヌードルをはるかに下回るその小さなエビは,それでも怪しげな油の衣を着こみ,自分を大きく見せようと健気な努力をしていたのだ.私は思わず
「無理しなくていいんだよ」
と声をかけた.元より具に期待してはいけないのだから.
湯を注いだあとは3分好きにさせ,すっかり出来上がった所を食す.油断をさせておいて,ガッと食べるのだ.麺は普通だ.他のアメリカ麺と変わらぬ,味もコシも持たぬフヌケ野郎だ.具は混ぜたら何処かへ消えた.そしてスープは
・・・私は不覚にも感動してしまった.やはり薄めだが,バランスの取れたチリオイルとライムのコンビネーション.これは簡易版トムヤムスープだ.程よい辛さが私の血流を促進し,次第に体がほてってくるのを,私は感じた.
<ホット>
ライムを食した後,ホットに対する目が変わった.コイツは意外に楽しませてくれるかもしれない.ふたを開けると,濃いオレンジ色が”HOT”であることを主張する.良いではないか.出来上がっても鮮やかなオレンジ色は色あせない.麺にスープの色が移っている様はここしばらくお目にかかっていない.期待出来る.
しかし,その期待は,麺を一口食べた瞬間,脆くも崩れ去った.なんだ,この薄さは?思わず麺をかき混ぜなおす.もしかしたら何処かに固まりになって溶けきらないスープの素があるのではないか?
・・・しかし,期待は再び裏切られた.辛いことは辛いが,つかみ所の無い薄さを感じるスープは全く変化を見せようとしない.もはや私に出来ることは,ただ悲しいエネルギー補給の手段として,残された麺をかき込むことだけだった.
結果を言えば,ライムとホットは全く性格を異にするカップ麺だった.そして,ライム(Lime Chili with Shrimp)は想像以上に私を楽しませてくれた.今後のMaruchanとの対戦に期待を持たせてくれる一杯だった.
(つづく?)
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