さて,会議が終了し,西安への移動の前に,日帰りバス観光に出かけます.目的地はトルファン!大昔に栄えたシルクロードの要所の一つです.とはいえ,不勉強な私の知識は,せいぜい観光ガイド(地球の歩き方)程度のもの.難しいことは言わず,中国人満載(満員)の観光バスに乗込みます.
バスは,まっすぐ南下し,まずは天山山脈が東西に途切れる谷間(といっても,その幅もハンパじゃなく広いですが)を通り抜けます.どのようにこの谷間が出来たのかは確認しておりませんが,そのまんなかを豊かな水量の川が南へ向け(ここポイントです)流れて行くので,これと関係があるのでしょう.ここで今日始めての驚きに遭遇.巨大なウィンドファームです!整然と並ぶ風車の数々.ずーっと遠くまで並び,果ては霞んで見えなくなるほど.圧巻です.なるほど,ここは天山山脈で阻まれた風の通り道なのでしょう.
さて,そこは名だたる天山山脈.谷を抜けるのにも1時間やそこら,平気でかかります.ようやく抜けると,そこは・・・砂漠.そして例により,川は,切り立った渓谷を残して消えてしまいました・・・.脆く,乾燥した岩山には,雨が降ったときにだけ水が流れる(と思われる)水路が細く深く刻まれています.そして山裾には水とともに流れた砂が堆積したなだらかな斜面・・・.小さい頃泥遊びで作った山を思い出します.こんなに脆そうでも,雨さえ降らなければ何千年も姿を保つのか.この山をすっかり日本に持って行ったら,どのくらいで山が崩れてしまうのだろう?砂漠初体験の私には感動ものの風景です.
そんな砂漠をぽかーんと眺め続けることしばし,トルファンに到着.まずは前漢時代(B.C.206-A.D.8)のお城の遺跡,交河故城です.つまり,2000年前に作られた泥作りのお城.・・・屋根は木で作られていたそうで,天井は抜けているのですが,ちゃんと建物の形をしています.触ると明らかなのですが,レンガのような丈夫な物ではありません.何の工夫も無い,乾燥した粘土です.例えば,シャベルでざくっとやったら(やりませんが・・・)刺さってしまいそうな程度に見えます.遺跡の案内看板によれば,この辺りは多い年で年間降水量4mm程度とのこと.雨さえ降らなければ,そして人が壊さなければ,こうして形を保つのですね.水の力を再認識.
さて,次はこの赤茶けた岩山.結構遠くから見ているので,低そうに見えるのですが,多分高いのでしょう(目印が何も無いので,本当に分からないんですが・・・).西遊記に出てくる,有名な火焔山なのです!もう少し気温が高いと,陽炎が立ち上り,あたかも燃えているように見えるそうです.・・・とはいえ,これでもかなり暑いんですけど.ここは火焔山を眺める観光スポットになっていて,地下に作られた待合室&売店では,アニメの孫悟空が活躍していました.中国人にとっても絶好の「孫悟空スポット」なのでしょう.
最後はトルファンのオアシス,葡萄谷.NHKの"シルクロード"で,中央アジアは,ワイン発祥の地と言っていたような,いなかったような.トルファンには,この大きな葡萄谷だけではなく,あちらこちらに葡萄園が有ります.そこでは,地下水路(カレーズ,昔世界地理で習いましたよね)で延々とひかれてきた水を吸い,太陽を思う存分浴びた甘〜い葡萄やメロンが育つのです.そのウマいこと!カットフルーツなんか食べて,お腹は大丈夫か?と思いつつも,止められません.太陽の偉大さを感じる(?)ひとときなのでした.
そんな訳で,思った以上に楽しんだ一日,帰りのバスに揺られつつ,私の頭の中には,なぜか懐かしの「ガンダーラ (by ゴダイゴ)」が流れ続けるのでした.
がんだ〜ら,がんだ〜ら,ぜぃせぇぃつぃんに〜でぃあ.
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