西安での仕事はさんざん.体調が悪く考える力のでない私は,座っているのが精一杯.情けないけれど,他になす術も有りません.会議終了後の懇親会では「全く飲めない人」と思われたほど.まぁでも,翌朝,飲み過ぎでひどい顔をしていた人が多かったので,体調が悪くて助かったのかもしれません.
さて,西安でも少しだけ観光をします.行き先は言わずと知れたヘイバイオー.原寸大の土作りの副葬品が多数出土する,おなじみの遺跡です.地元の学生さんの話によれば,ここ数年で急に外国人旅行者が増え,ヘイバイオーの周りの整備が進んだとのこと.なるほど,奇麗な公園になっています.旅行者相手のキオスクも有って・・・.ん?とてもユニークな看板を発見しました.日本人は指摘しないんですかね?それとも,指摘されても直さないだけ?取りあえず,私はソッとしておきました.なかなか風情が有るではないですか.
さて,巨大な倉庫状になっているヘイバイオーの中へ.噂通り,復元の終わった人や馬の像が,ずら〜ッと並んでいます.一つ一つの像がそれぞれ異なる顔,表情をしているのが特徴とのことですが,実はあまり近くに寄れないし,薄暗いので分かりづらい.
広大な展示室の奥の方に歩を進めると,まだ復元の終わっていない(あるいは手が付いていない)像が無惨に倒れ,ガレキとなって散らばっています.あまりなじみの無いこちらの方がインパクトが有りますね.出土時の状態というのは様々でしょうが,結構徹底的に壊れている印象を受けます.ふと思うのは,ここまで壊れているものは,果たして正しく「復元」できるのか,ということ.復元の終わった像をざっと眺めると,ときどき頭の無い像は見かけるのですが,あまりひどく欠けている物は見かけません.出土しなかった場合に新たに「創造」することが有るのだろうか,その場合,全体のどの程度の割合が現代における「創造」なんだろうか,と考えてしまうのでした.
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