日の出前に出発して向かったのは,ノックスビルから僅か2時間半,アパラチア山脈を超えた東側にある,ノースカロライナ州アッシュビル.前回の出張にひき続き,2回目です.この小さな地方都市には,アメリカの鉄道王バンダービルト一族の一人が建てた,全米最大の個人邸宅「ビルトモアハウス」があります.結構な入場料を取るので敬遠していたのですが「本物の富豪が建てたお城のような家」を最後に見ておこう,と相成った訳です.
放牧場,ぶどう畑やワイン工場に囲まれた敷地は,売り文句のとおりヨーロッパの自給タイプのお城(行ったこと無いけれど)のような雰囲気.なにせ,ゲートを入った所で庭園内の道が続くだけで,建物なんて一つも見えません.これでも遺産相続に際して敷地が何分の1かになっているそうなので,広さを実感します.
朝早かったので,昼食も早め.敷地内のレストランはいくつか有るのですが,比較的リーズナブルかつ評判の良いDeerpark Restrauntを選びました.静かでひんやりとしたレストランはビュッフェ形式ですが,アメリカにありがちなナゲヤリビュッフェではなく,とても良質で丁寧な食事が並んでいました.あまりの美味しさに,写真の一つも取らず,ぱくつく私達(これで同種のヘマ何回目か・・・).気がついたのはすっかり食べ終わった後でしたとさ.ところで,ここは9才以下の子供は無料.大人の料金もクオリティに対してかなりリーズナブルに設定されています.もともと高い入場料金を払ったうえでこのレストランに入る訳ですから,そのあたりが考慮されているのでしょう.日本だったら,他に選択肢が無いからかえってボられそうな気もします.ちょっと得したような錯覚(あくまでも錯覚)に満足しつつ,本日のメインイベント,ビルトモアハウスへ. 建築後100年強ですから,割とモダンな作りで,中世のヨーロッパの城のような格式がある訳ではありません.まぁ,しかし,大きい.「個人の家」なのですが,目の前の建物と「家」という単語が私の中で結びつきません.すなわち,これが, イッパンジンとは隅から隅まで異なる「富豪」と呼ばれる人達の生活なのだろうな,と頭の先っぽだけで理解した気持ちになります. 残念ながら,内部は撮影禁止.結構モダンで小分けになった作りです.1階,2階こそ,ホールやチャペル,主人の住まうだだっ広い広間ですが,3階より上はゲストハウスなのか,比較的小振りな部屋+バストイレという間取りの部屋がずらりと並びます.そのままホテル業が出来そうなくらい.外観から想像したよりは天井は低く,その分階層が有ります.とにかく,全部で250部屋あるとか.地下に行くと,ボーリング場,ジム,プールまで完備されていました. 昔はゲストをしこたま呼んで,パーティーを開いて,そのままそこでご宿泊,という生活をしていたのだろうな,と想像します.やっぱり20世紀全般のアメリカなのです.ギャッツビーなのだ.
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